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2015年9月

2015年9月24日 (木)

『バードマン』を見ました

何とも発音の難しいこの監督の作品は今までにも見てはいるが、今ひとつ好きにはなれなかった。手法が先に立ちすぎていて、物語に集中できないのだ。しかし、このアカデミー賞受賞作品はとても面白かった。

とにかく脚本がいい。「バードマン」という特撮ヒーロー映画で一世を風靡したという主役の設定は、その役を演じるかつての「バットマン」マイケル・キートンそのままだ。パート4を断って、それ以来ヒット作がないという設定で、よくこんな役を引き受けたなと驚く。
その主役が自分が本当にやりたかった芝居に挑む。しかし映画界とブロードウェーはちょっと、いや、かなり違う文化だ。彼は悪戦苦闘し、共演者からも批評家からも、そして心の声「バードマン」からも、「無駄なことはやめて映画界にもどれ」と言われる。
そして初日を迎えるのだが……。

「金の欲しい奴はハリウッドに行き、本当の役者は芸術に身を捧げるんだ」「ちょっと金を儲けただけで、基礎もない役者が芸術に挑戦して、破れて行く」「ここにいるのは本物の役者ばかりだ、お前をのぞいてはな」などなど、ハリウッドとブロードウェーの対立を象徴するようなセリフのオンパレード。
これってメキシコ出身の監督だから描けたことなんだろうか?

全編近くがワンカットに見える手法は、効果的だったのかどうか判らないが、脚本とそれを演じる俳優は皆素晴らしい。

※ファラ・フォーセットとマイケル・ジャクソンが同じ日に死んだのを、この映画で初めて知った。

 

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2015年9月 6日 (日)

『マッドマックス・怒りのデスロード』

ジョージ・ミラーもいい加減歳だし、このところ繰り返されるハリウッド制続編というかリメイクというか、とにかく期待はずれが多かったので見る気がなかったのだが、知り合いのプロデューサーが二度の打ち合わせの時に、二度とも「良かった!」というので見てきました!

 

『マッドマックス・怒りのデスロード』

 

いやあ、凄かったねえ!    
ジョージ・ミラーは相変わらずの馬鹿力演出で、「やはり肉食人種には勝てない!」と昔風の感想を久しぶりに感じた二時間。      
「ハリウッドどオーストラリアは違うんじゃい!」と監督の雄叫びが聞こえて来そうな無慈悲な展開。    
話は実にシンプルで、楽園を求めて旅に出て、しかしそれは元の場所にあると気づいて戻ってくる。それだけの事だが。      
「青い鳥」伝説か「アルケミスト」か、この手の話はうまくまとまる。

 

全体を包む世界観、それを視覚化する美術、アクション、特撮。すべてが同じ方向を目指して、ひしめき合っている。次から次へ出てくるキャラクターもユニークだし、あまり説明をしないのもいい。

 

唯一の欠点はマッドマックスを演じた凡庸な役者。主役が欠点というのは大問題だが、それを補って余りあるのがシャーリーズ・セロン。彼女を主役に続編の話も出ているそうで、さもありなん。

 

個人的に好きだったのはエレキギターを弾きながら走る一団。後部にリズム隊を乗せ、戦闘の間、何故か音楽を鳴らし続ける。    
昔の軍隊には軍楽隊がいたが、あれの名残というか、アレンジ・バージョンなのだろうか?      
しかしあんな発想、たとえ思いついたとしても、誰か(たとえばプロデューサー)に却下されるよ普通。

 

とにかく久しぶりに「アクション映画」を見たって感じです

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2015年9月 3日 (木)

「毛皮のビーナス」

マゾッホ原作の「毛皮のビーナス」の舞台化の為に女優をオーディションしている脚本家。
そけへ遅刻して現れた女優と脚本家が繰り広げるミステリアスな愛憎劇。

 

登場人物は二人。    
私も二人芝居を何本か書いているので、実に興味深く見た。      
作劇も素晴らしいが、何よりも二人の役者がいい。特に女優役のエマニュエル・セニエ。ポランスキーの奥さんで、もういい年なのだが、惜しげもなくその身体を見せ、怪演と言ってもいいような、凄い芝居。      
対する男優は、私はあまり知らなかったが、ポランスキーそっくり。    
この二人が、他に誰も居ない劇場で、火花を散らす。

 

ロマン・ポランスキーは80を過ぎても大したもんである。

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