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2015年7月13日 (月)

死体と旅する男達

『メルキアス・エストラーダの3度目の埋葬』を見る。

見るのはこれで二回目だ。この作品はトミー・リー・ジョーンズの初監督作品。初めてとは思えない、落ち着いた、堂々とした演出である。

メキシコ国境近くの農場で働いている主人公は、不法滞在のメキシコ人、メルキアス・エストラーダと友人になる。ある日、ちょっとした間違いが起き、国境警備隊の若い男にエストラーダは射殺される。死体はすぐに埋葬され、事件は闇に葬られそうになる。
主人公は犯人の若い警備隊員を誘拐し、エストラーダの死体を掘り起こさせ、メキシコにある彼の故郷へ向かう。
「自分が死んだら、故郷に埋葬してほしい」という友の願いを実行するため。

男二人と死体が旅をするという話である。
その間に様々な出来事があり、自分勝手だった若い男 は、変わって行く。一種の成長物語でもある。
トミー・リー・ジョーンズは頑固な古い男を好演している。
その存在感だけで、この映画は成功している。

見ていて思い出したのはペキンパーの『ガルシアの首』だ。この映画でも主人公のウォーレン・オーツが死体と旅をする。(この場合、首だけだが)
途中で死体が腐りはじめて、虫がわき、主人公が悪戦苦闘する様は、どこか似ている。最後にたどり着く場所もメキシコだ。

アメリカ映画に登場するメキシコは、貧しく野蛮だが、アメリカが失ってしまった何かを残している場所である。
命がけで国境を渡り、アメリカに入り込もうとするメキシコ人は後を絶たない。一方で、アメリカに失望し、居場所を失った男達は、メキシコを目指す。
では、アメリカが失ったものとは何なのか?

自由か? 誇りか?

 

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