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2014年9月12日 (金)

『アンゲロプロス』の日々

テオ・アンゲロプロスの映画を集中的に見た。

『旅芸人の記録』『狩人』『エレニの旅』『エレニの帰郷』『ユリシーズの瞳』『永遠と一日』『こうのとり、たちすさんで』などである。
劇場で見た物もあるが初見の物も多い。
どれも素晴らしい。
そのストーリーとテーマを象徴するような映像表現は、何処を取ってもオリジナリティを感じるし、『映画だなあ』という瞬間に満ちている。
未完の作品を残したまま亡くなってしまったのは本当に残念だが、これだけの傑作を生み出した映画監督と、同時代に生きられた幸運に感謝するしかない。
 
他人に勧めるのは難しい。
『映画鑑賞が趣味』という人も、その殆どはアメリカ製エンターテインメントのファンであり、ヨーロッパの『芸術映画』を嬉々として語る人は少なくなった気がする。
 
アンゲロプロスの映画は、それなりに制作費もかかっているように見える。
それはつまり出資者もいて、なおかつ商売として成り立っているという事だ。
そこが不思議でならない。
ベルイマンの映画を見たときにも、同じ事を感じる。
こんな映画に金をだすのは、どんな人なんだろう?
これは商売として成立しているのだろうか?
 
そんな事を感じるのは、日本の商業主義に毒されているからだろうか。
ヨーロッパにおいて映画はまだ『芸術』なのかもしれない。
 
チェコのカルロビバリ映画祭に参加したとき、それを肌身で感じた。
難解な芸術映画のチケットを取るために、若い映画ファンが長い列を作っていた。
日本では失われた光景だ。
 
一本でいい。
彼のように映画を作る事が出来たら……。
そんな風に思いながら、私は再び彼の映画を見るだろう。

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