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2013年1月 5日 (土)

二人の天才

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二人の天才のドキュメンタリーを見た。

スティーブ・ジョブズとグレン・グールド。別に両者には何の関係もないのだが、立て続けに見たら、何だか共通したものを感じた。
天才は孤独だという事。なぜ孤独なのかと言えば、多分、自分と同じビジョンを、誰も共有してくれないからだ。
 
スティーブ・ジョブズには、しかし何人か盟友というべき存在がいる。一番有名なのは一緒にアップルを作ったウォズ。二人はとある友人の仲立ちで知り合うのだが、すぐに親友になった。しかし二人の性格はかなり違うらしい。プログラマーとしてはウォズのほうが優秀で、スティーブはアイディアマンであり営業マンであった。ヒッピーとオタクが一緒に組んで仕事をしたんだ、と誰かが言っていたけど、言いえて妙だ。
 
スティーブのもう一人の盟友というか、実はライバルでもあるのがビル・ゲイツ。
ゲイツとスティーブの関係は、敵同士という風に思っていた。ゲイツがウィンドウズを発表したとき、アップルのユーザーインターフェイスを盗んだと、スティーブは怒った。しかし、ゲイツは「もともとはゼロックスのアイディアで、僕もスティーブも同じところから盗んだだけだ」と反論したという記事を読んだことがある。その後のウィンドウズの躍進と、アップルの低迷のせいもあり、悪の帝国のビル・ゲイツとそれに果敢に挑む勇者スティーブ・ジョブズなんてイメージであったが、このドキュメンタリーを見るとかなり印象が違う。
 
「ゲイツは将来を見通す才能があったが、カリスマ性があるのはスティーブだった」と何人かが証言している。
二人が対談みたいなことをしている映像があるのだが、それを見ていると確かに堂々としているのがスティーブで、ゲイツはなんだか落ち着きがない。しかも驚くべきことにゲイツは、どうやらスティーブに憧れているのだ。それが画面を通じて伝わってくる。
 
スティーブが死んだとき、その死をジョン・レノンになぞらえた人が多かったが、そうするとゲイツはポール・マッカートニーか?
(ちなみにジョンよりもポール派の私は、ウィンドウズユーザーである。アップルを買ったことは何度かあるのだが、仕事となるとウィンドウズの方が都合が良かったのだ)
 
二人の対談の最後に、スティーブがゲイツとの関係について聞かれて、こう答えている。
「僕らは、これから僕らがたどる道よりも長い思い出を持っている」
ちなみにこれはビートルズの曲「トゥー・オブ・アス」からの引用である。
 
 
ジョブズばかりでグレン・グールドの話が少なくなってしまった。
正直彼のピアノはあまり聴いたことがないので仕方ない。彼が凄いピアニストなのは、このドキュメンタリーの中に流れる演奏を聴いてもすぐに分かる。しかし、彼は遅れてきた天才のようにも見える。
彼はあるときから演奏活動を止めて、録音に専念するのだが、もし録音というテクノロジーのない時代に生まれていたら、その方が幸せだったんじゃないか、と思ってしまうのだ。
 
いずれにせよ、天才の話だ。
 

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