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2012年8月14日 (火)

オリンピックと映画

ロンドンオリンピックが終わった。
始まる前はあまり興味を持っていなかったが、何だかんだ色々と見てしまった。

面白かった。
ついでと言ってはなんだが、オリンピックを題材にした映画を二本見た。
「栄光への賭け」と「炎のランナー」である。

「栄光への賭け」はマイケル・ウィナーの監督の1970年作品。今回、DVDで初めて見た。 ローマオリンピックを舞台に、世界各国からマラソンランナーが集まって来るという話で、イギリスの小説を原作にしている。

イギリス人の牛乳配達がジョギングしているランナーに競争で勝つシーンから始まり、イギリスの他にはアメリカ、チェコ、オーストラリアなど、世界各国のマラソンランナーのそれぞれのドラマが交互に描かれる。

アメリカのパートはドラッグ問題が絡んで来る。チェコは当時まだ社会主義国家だったので、国家の命を受けてレースに復帰する軍人が描かれる。オーストラリアのパートでは、白人とアボリジニの関係を描く。

それぞれの国の社会問題を描きつつ、クライマックスにまとめ上げていく脚本(エリック・シシーガルが書いている)はなかなか良くまとまっているが、演出はちょっと乱暴だ。演技も単調だし、当時はズームレンズが使われ始めた頃なのか、やたらとズーム効果を狙った画が多い。フィルムも粒子の荒さが目立つ。

「炎のランナー」は80年代の映画で、アカデミー賞も取った有名な作品だ。私も勿論、公開時に映画館で見た。今回、久しぶりにDVDで見直した。

1924年のパリオリンピックを舞台にして、イギリスの陸上チームの二人のランナーをメインに描いている。
エイブラハムというユダヤ人ランナーは、目に見えないユダヤ人差別に苦しんでいる。リデルというランナーは敬虔なクリスチャンで、宣教師でもある。二人は共に100mの選手であるが、予選が安息日に当たるというのでクリスチャンであるリデルは100mを棄権し、400mに出場する。結果、エイブラハムもリデルも金メダルを取る。

100mの選手が急に400mに競技を変更して勝てるもんかと疑問を感じたが、これは実話である。

「炎のランナー」は美術も撮影も素晴らしく、ヴァンゲリスが作曲したテーマ音楽もあまりに有名だ。今回、ロンドンオリンピックでもメダルの授賞式になるとこの曲が流れていて、イギリス人のこの映画に対する愛着を感じた。

「炎のランナー」は良くできた映画であるが、少し見方を変えるとイギリス人の自己満足的なノスタルジーに溢れた作品でもある。つまり「かつて英国は偉大であった」という想いだ。

「栄光への賭け」との大きな違いは、有色人種の選手が出てこないという点だ。
「炎のランナー」のエイブラハムはユダヤ人であり、彼に対する差別意識は描かれるが、彼自身もケンブリッジ大に所属していて、そういう意味ではエリートの一員でもある。
劇中の100mの決勝に登場する選手は、いずれの国も白人ばかりだ。薬物の話も、社会主義国家のプロパガンダの話も出てこない。古き良きオリンピックであり、今のオリンピックとはまるで違う。

「炎のランナー」の制作者たちは、あの失われた時代を愛おしく思っている様だ。

今では陸上競技の殆どを有色人種(主にアフリカ系)が占めている。ことさら人種の優劣を語るつもりはないが、「走る」という行為に関する限り、アフリカ系人種の優位は否定できないと思う。見ているとその体つきからしてまるで違う。

ちなみに今回、男子400mリレーの決勝を見ていたら、日本代表以外はすべて黒人であった。そして彼らの身体から感じられる迫力に比べ、日本人は随分と華奢に見えた。
その日本人が決勝に残っているのは、そう考えると大したもんである。残念ながら前回の様にはメダルを取る事は出来なかったけれど……。

「栄光への賭け」と「炎のランナー」
どちらの映画もそれなりに面白く見ることは出来たが、実際のオリンピックの競技の迫力とドラマ性にはかなわない。

そもそもスポーツというのは映画の題材に向いているようで、実はあまり向いていない。
例えばもし100mでオリンピックに出る選手の映画を作るとして、決勝の場面、あのボルトの走りに勝る迫力をフィクションで描き出すのは、殆ど不可能であろう。

 

 

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