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2011年7月18日 (月)

神に見捨てられた地の物語

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ハーモニー・コリンの「ガンモ」を見る。

 

DVDが発売されてすぐに一度見たのだが、その時はピンとこなかった。

ハーモニー・コリンは映画「キッズ」の脚本を書いた人だ。

「キッズ」は衝撃的な映画だった。

現代アメリカの少年少女の生態を描いた映画だが、そのリアルなタッチに驚いた。

「ガンモ」も同系統にある映画だ。いや、ドキュメンタリーなタッチはさらに徹底している。

足りないのは物語を縦に貫くストーリーだ、と思っていた。今回見直して、別の面に気付いた。

 

冒頭、数年前に街を襲った竜巻の映像が流れる。

8ミリビデオか何かの荒れて不安定な映像だ。おそらく、本当の竜巻を撮ったものだろう。

家族や友人が沢山死んだ。

友人の一人は五体がばらばらになり、竜巻が去った後も頭部だけが見つからなかった。

そんな出来事が淡々としたナレーションで語られる。

映画はその後の街の人たちの姿を描いている。

無軌道で自堕落な若者たち。

退廃的な大人たち。

猫殺しを続ける少年たち。

そんな殺伐としたエピソードが続く。

この映画を見て激怒した映画評論家がいたのを思い出した。

こんな映画は作るべきではない。見るべきでもない。そんな事を雑誌に書いていた。

確かに良識的な観点から見たら、感情移入できる人物は出てこない。

この映画は一体何を描こうとしているのか?

 

最後に、もう一度、竜巻の映像が流れ、

ジーザスは私たちを愛してくれる、と云うような歌詞の唄が流れる。

 

東北の大地震の映像を見ていた時、自然の力の無慈悲さを感じだ。

善人も悪人も関係ない。苦労して積み上げたものも、大切にしていたものも気にすることはない。

ひたすら破壊と殺戮を続けていく、あの大津波。

あの映像を見て、神様は一体どこにいるんだ、と思った人もいるだろう。

そんな、いわば神に見捨てられた地にも、人は生きていかなければならない。

テレビやマスコミは、東北復興の明るいニュースを率先して流す。

しかし、あの無慈悲な出来事の後には、

殺伐とした救いようもない気持ちを背負ってしまった人も、沢山いるだろう。

そんな気分をきちんと描くことも、 時には必要なのかもしれない。

 

しかし、今の日本でそんな映画を作ることが可能だろうか?

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